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はじめに
副業、在宅ワーク、フリーランス。
インターネットの普及、さらには官民を挙げた「働き方改革」が叫ばれるなかで、ワーク/ライフスタイルが大きく変化しています。とりわけワークスタイルの変化においては、所属する会社の業務を効率よくこなし、余った時間と自分の専門スキル・職能を使ってもう一つの収入源を得る…フリーランス業をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回ご紹介したいのは、「fiverr」という海外のフリーランサー達と協業できるクラウドソーシングプラットフォームについて。
海外向けに何かを制作する際、ちょっと工夫すれば従来の制作方法をはるかに凌ぐ効率化/費用対効果を体験することが可能です。
Fiverrとは ― 5ドルから始められる制作作業 ―
このプラットフォームは一言でいうと、「5ドルから外注可能な、デジタルサービスに特化したグローバルオンラインマーケットプレース」。
平たく言い換えると、Web上でやりとりができる様々なサービスを世界中のフリーランサーに依頼できる市場。2010年2月にShai WiningerとMicha Kaufmanによって設立された同プラットフォームは、2012年までに130万を越えるGig(プロジェクト、案件)がやり取りされるなど、サービス拡張の一途を辿っています。
誤解を恐れずにいえば「無形商材を売買できる海外版Amazon」であるfiverrのなかで、実際に私がfiverrを使ってみて「強いな」と思うジャンルは、「デザイン・ライティング・コーディング/プログラミングなどの制作サービス」「SEOや調査、SNSサービスなどのマーケティング代行サービス」です。
具体的にTOPページのカテゴリから、fiverrを通じてどういったサービスを享受可能かみてみましょう。
Graphics & Design: ロゴデザイン、ウェブサイトページデザイン、写真加工、バナー制作
Digital Marketing: SNSマーケティング、Web解析、SEO
Writing & Translation: レジュメ作成、翻訳、プレスリリース作成、プルーフリーディング
Video & Animation: 映像編集、アニメーションロゴ作成、Facebook広告用動画制作
Music & Audio: ナレーション吹き込み、音楽作曲、シンガーソングライティング
Programming & Tech: LPコーディング、WordPressカスタマイズ、越境EC制作
Business: 市場調査、キャリアアドバイス、事業計画アシスタント、プレゼン資料作成
Fun & Lifestyle: 交友関係アドバイス、オンラインレッスン、家系調査
「バナーデザイン」や「Web解析」といういわば想定内のサービスに加えて、外国人シンガーによる「シンガーソングライティング」、また「交友関係アドバイス」や「家系調査」など、「???」と内容を勘ぐりたくなるようなサービスも提供しているようです。
そして、何より魅力的なのが、多様なデジタル上のサービスを5USDから依頼することができる、という点です。
例えば、新しい商品のデジタル広告バナーをつくりたい。日本の業者や制作会社に依頼すると数千円、数万円はかかるだろうな…
しかし、fiverrを使えば、ワンコインで商品の広告バナーやHPデザインを依頼することが可能かもしれない。クリエイティブ/制作業務における価格破壊をあなたの現場に持ち込める点が、企業就業→フリーランス型就業、ワークスタイルの変化をかしこく活用した最大のメリットであると思います。
では、具体的にfiverrを使うメリット⇔デメリットを整理しましょう。
リーズナブルな制作費Fiverr活用におけるメリット
これは「Logo Design」カテゴリでの検索結果ページですが、赤枠のように5ドルから制作依頼が可能です。仮に制作会社でロゴを作成する場合、少なくとも数千円はかかるところ、ほぼワンコインで制作できる点は大きなメリットです。
工程の短縮
日本と海外の時差をうまく使って制作の時間短縮が可能です。たとえば、ウクライナのクリエイターに「HTMLコーディング」を依頼する場合、
■ 日本とウクライナの時差は7時間。
↓
■ 日本時間の18時は、ウクライナ時間の11時
↓
■ 夕方18時くらいに依頼を完了、帰宅
↓
■ ウクライナのクリエイターは11時~18時にコーディング作業
↓
■ 翌朝9時にはHTMLコーディングが完了!
といった形で、時差という条件を巧みに使った工程が可能になります。
海外視点の品質
フリーランサーや個人事業主にデジタルに関するサービスを依頼するサービス(クラウドソーシング)は日本にもあります。有名なところでは、クラウドワークス(https://crowdworks.jp/)やランサーズ(https://www.lancers.jp/)などが挙がると思います。これら日本発のサービスとfiverrとの違いは、全世界のクリエイターと一緒に仕事ができる点です。
そのため、海外向けのクリエイティブ、海外向けのプロモーションを検討する場合は、「世界」というユーザーの視点にたった設計・制作が実現可能といえます。具体的には、fiverrを使えば、「日本人が作成した制作物を、ターゲットとなる外国人の嗜好・感性に合わせてローカライズする」という、海外向け制作における大きな困難を乗り越える可能性を秘めている、とも言えるかもしれません。
Fiverr活用におけるデメリット
もちろん、「安く、早く、海外品質」という目からウロコの魅力の一方で、fiverrを使いこなすためのハードルもあります。
依頼、ディレクションは全て英語もしくは外国語
サービスの検索。クリエイターとの価格交渉。デザイン修正依頼。
これら一連の制作ディレクションは全て外国語(主に英語)で行わなければなりません。特に、細かく具体的な指示を出す際に、英語で意図を説明する難しさは、fiverr活用時に最初に訪れる困難かもしれません。
フリーランサーによって品質・クオリティが左右される
Fiverrを個人的に使った印象の一つとして、玉石混交、海千山千、依頼するクリエイター/フリーランサーによって成果物/アウトプット品質の粒度が大きい、という点があります。
世界のフリーランサー側の視点に立つと、fiverrという場所は「手軽に稼げる」「世界中のbuyer/クライアントと繋がることができる」魅力溢れる場所です。だからこそ、素人に毛が生えたレベルの残念な制作者が紛れていたり、かたや自分で会社を率いていながら販路の一つとしてfiverrに出店しているバリバリのクリエイターもいます。
ここで重要な点は、やはり実績(口コミ)、そして制作実例を事前に確認することです。
過去の取引(Gig)におけるBuyer側の感想はクリエイター(Seller)の個別ページから確認が可能です。
時差によって納期を計算しないといけない
これは2つ目のメリットとコインの裏表の関係ですが、依頼相手のフリーランサー(Seller)の居住地域・日本との時差は十分に確認しないといけません。時差という分かりやすいポイントに加えて、イスラム圏におけるラマダンやヨーロッパにおけるバケーションシーズン等を忘れていると、依頼後に「発注後、レスポンスがいてもたっても届かない」ということが起きてしまうかもしれません。
さぁ、fiverrを使ってみよう
では、fiverrのメリット・デメリットを十分に踏まえたうえで、実際に使ってみましょう。
……といいたいところですが、実際のfiverr使用に向けた「初心者向けガイドラインやTips」については次回記事にてご紹介します! ぜひ併せてご確認ください。
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投稿者プロフィール

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1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。
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