スタートアップがアツい!ドイツで注目のスタートアップ

テレビやWEBメディアでは毎日のように「スタートアップ」という言葉を目にするほど、その注目度は世界中で年々増しています。スタートアップとは、起業後にVC(ベンチャーキャピタル)などからの投資による資金を確保し、将来の飛躍的な成長が期待される新興企業を指します。数年前までは世界のスタートアップの中心と言えば誰もがアメリカのシリコンバレーと答えたことでしょう。しかしここ数年、多くのスタートアップが毎日のように産声を上げ、世界の注目が集まる都市がヨーロッパにあります。

いまやスタートアップの聖地とも呼ばれるようになった都市、ドイツの首都・ベルリン。ベルリンには、およそ17万社のスタートアップが存在し、65万人の雇用を生み出しているといわれており、スタートアップへの投資額では欧州1位なっています。年間500社もの新たなスタートアップが生まれ、その成長指数が世界一となっているベルリンは、ヨーロッパのみならず世界中の若き起業家が熱い視線を注ぐ都市です。この記事では、そんな世界が注目するベルリン発の企業を中心に、ドイツで生まれた注目のスタートアップを紹介していきます。

 

Berlin Organics

Source: https://www.berlinorganics.de

ベルリン発、100%オーガニックな「スーパーフード」を製造するオーガニックブランド「Berlin Organics」。世界でも健康志向の高い都市としても知られるベルリンでは、実に人口の約10%がベジタリアンやヴィーガンなど肉を食さない菜食主義の人々だといわれています。

2015年に設立されたBerlin Organicsは、近年日本でも人気が出ているアサイー、バオバブ、チアシードを始め、モリンガ、マカなどの様々な素材を粉末化し、栄養素や用途に分けた上で、複数のスーパーフードやプロテインと混合し、思わず手に取ってみたくなるカラフルな容器に入れて販売しています。

開発途上国の支援を志す同社最高経営責任者(CEO)のクラース・クールマン氏のこだわりは製品に使用する原料で、その全ての原料を有機食品に限定し開発途上国から仕入ています。また、特筆すべきクールマン氏のビジネス手法は、オンラインショップでの販売促進が主流となる昨今にあり、あえて消費者との距離が近い店舗からの販売に尽力したことが挙げられます。その結果、Berlin Organics設立1年後にはドイツの主要な有機食品スーパーやドラッグストアにまで商品が置かれるようになり、爆発的に知名度を上げ急成長しています。

 

Kontis

Source: https://kontist.com/en

ベルリンに拠点を置く「Kontist」は、ドイツのフリーランサーのための決済 ツールや電子商用口座を提供しているスタートアップです。

実際の銀行口座を持っていなくても、アプリ上で10分もかからずに商用口座を開設することが可能です。口座開設が終わると、マスターカード加盟店対応のデビットカード(既にアカウントに連携されている)が手元に届き、ビジネス用の購入をこのデビットカードで行うことができます。また、Kontistはアプリ上で面倒な税金計算や帳簿の自動化を行うこともでき、フリーランサーに必要な機能を網羅しています。さらに、レシートを自動で読み込む機能や、取引の手動管理などの機能が充実しているのも特徴です。

 

Marley Spoon

Source: https://marleyspoon.com

2014年春からサービスを開始した「Marley Spoon」は、新鮮な食材を使用した簡単な料理レシピを提供し、料理レシピ+食材調達アプリとしてドイツ、英国、オランダ、ベルギー、オーストラリア、米国にそのサービスを拡大しています。

最近は日本でも利用者が急増している、レシピ付きの食材を宅配する「ミールキット」サービス。献立を考える悩みを解消してくれるだけでなく、食材購入の手間も省けるという忙しい現代人のニーズをがっちりと掴んだコンセプトは、瞬く間にそのサービスを世の中に広めました。週に10通りのレシピを開発し、利用者に常に新しいアイディアを提供していることも人気の理由と言えるでしょう。

また、Marley Spoonがその名を世界に知らしめたのは、2017年の米国進出でしょう。米国で絶大な支持を集め日本でも知る人の多い料理家マーサ・スチュワートとのコラボによって、Martha & Marley Spoonブランドをスタートさせ見事にアメリカのユーザーの心を掴みました。また、2016年秋からミールキットの配送サービスを開始していた「アマゾンフレッシュ」が同社のミールキットの取り扱いを開始しその勢いはとどまるところを所を知りません。

 

Blickfeld

Source: https://www.blickfeld.com/

ドイツ国内でベルリンに次いでスタートアップが盛んな都市ミュンヘンで2016年に設立された「Blickfield」は、デジタル化と深層学習を取り入れた自律型マシンの開発ニーズを満たす革新的なソリューションを開発しています。

Blickfeldが主に開発するのは、「LiDAR」とよばれる自立式のレーザーで、物体の認知やマッピングを行うソフトと合わせて利用することで、ロボットの「目」として機能します。この技術は今後、自動運転や新種のドローン開発などにも適用される予定で、特に自動運転車については、自動車の目として機能し、周囲の状況を把握・理解するため、最も必要な技術だと考えられています。

また、BlickfeldのLiDARが競合他社と比べて注目されるのは、そのコストパフォーマンスにあります。市販のコンポーネントとシリコンをベースに作られている同社のLiDARは、低コストで大量生産を実現すると同時に、自動車に求められる性能を十分に満たしています。

 

Careship

Source: https://www.careship.de/datenschutz/

2015年にベルリンで誕生した「Careship」は、介護を必要とする家族と介護者を結びつける人気の高齢者ケアサービスです。日本が世界一の高齢化率となって久しいですが、実はドイツは日本やイタリアと並んで高齢化が深刻な国の一つです。

創設者であり兄妹のAntonia・Albert氏とNikolaus・Albert氏は、祖母の介護にあたっていた時に、なかなか良い介護者と巡り合うことができず苦労をしたという経験から、自分たちのような境遇の家族と介護者達をオンラインで結びつけるサービスを思いついたといいます。

超高齢化社会が待っているといわれるドイツは、2050年には介護が必要となる人の人口が現在の2倍になることが予想されている一方、その需要に対応できる介護者も不足していることから、介護者を見つけるのが困難な状況です、創設者である二人は、ドイツだけでなくヨーロッパ全域で非常に大きな問題となるであろう高齢化社会に備え、ソリューションを提供するために市場に参入したと言います。

いかがでしたでしょうか。産業の中心が一極集中型の東京、ロンドン、パリなどと異なり、ドイツは西のデュッセルドルフや南のシュツットガルトやミュンヘンなどに分散し、首都に産業が集中していません。そのため、ベルリンは首都であり観光地としても有名であるにも関わらず、家賃や物価が非常に安いので、スタートアップが集まりやすい環境にあるようです。どの企業も独自のサービスやテクノロジーを有しており、日本の需要とも類似点が多くみられるのが興味深いところではないでしょうか。

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投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。