【後編】爆買いは本当に終わったのか!? 中国人の買物事情を調査してみた

前編では「爆買い」の始まりから今の状況までを数字と共に追ってきました。
後編の今回は、「爆買い」をしなくなった中国人はマーケットとしてどうなっているのかを検討していきます。※今回の記事は後編です。前編をご覧でない方はこちら

訪日中国人によるマーケットは縮小しているのか

前編では、中国人の1人当たり旅行支出における「買物代」は、2015年をピークに落ち込んでいるという結論に至りました。それでは訪日中国人を対象としたマーケットは縮小しているのでしょうか。ソースを同じにする訪日外国人消費動向調査から、訪日中国人旅行者数を参照し、マーケット規模をざっくりと計算してみました。

(訪日旅行者人数×1人当たり買物代=マーケット金額)

・2015年
約500万人×約16万円=約8億円

・2017年
約735万人×約12万円=約8億8200万円

こうすると、確かに1人当たりの金額は減ったとはいえ、旅行者数が増加しているため逆にマーケットの規模は拡大しているという結果が見えてきます。「爆買い」は以前ほど期待できなくなりましたが、まだまだ開拓の余地はあるように思えます。

「爆買い」はどこへいったのか

「爆買い」は海外で買った商品の実物を持って税関を通る必要があるため、転売目的や、家族・知人などの分を大量に購入すると、税関で引っかかってしまいます。
中国当局も税関での検査を強化してきているようで、「爆買いをしても税関に引っかかってしまう」という問題が浮かび上がってきているようです。

さて少し話は変わりますが、海淘(ハイタオ)という中国語をご存知でしょうか。
“海外でものを漁る”といった意味になるようですが、最近では、特にインターネットでの海外通販を表す言葉として使われているようです。

中国といえば海賊版や偽ブランドが多いとイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、少し前までは中国のネットユーザーにとっても「インターネット通販は偽物だらけだ」という評価だったようです。しかしながらここ数年で越境ECサイトが多く進出し、より安全にインターネットショッピングが楽しめる環境が整ってきました。

そこで注目されつつあるのが海外商品のインターネット通販、つまり先程出てきた海淘です。個人で使うレベルなら税関に引っかかることも少なく、わざわざ現地に行く必要もないため、ここ数年でこの海淘による越境EC市場が大きく規模を伸ばしています。

経済産業省の電子商取引に関する市場調査のうち、「日本から購入され中国で消費される商品」の取引額とその増加率をまとめてみました。

増加率は2014年から鈍り始めているものの順調に成長しており、爆買いブームが下火になった2015年以降も増加傾向が続いております。取引規模では2015年の約8000億円に対し、2017年は約1兆3000億円と2年間で約5000億円もの増加が見られます。

「爆買い」によるものかは定かではありませんが、「爆発的な規模の拡大」であることは間違いないでしょう。

まとめ

訪日中国人による「爆買い」ブームは確かに終わってしまったと考えるべきかもしれません。しかしながら中国人および中国のマーケットは未だに拡大しており、手段や経路が変わったものの、中国が巨大なマーケットであることは、未だに変わらないのではないでしょうか。特にインターネット領域ではかなりの拡大率であり、中国に対するウェブマーケティングは、これまで以上に重要になると言っても間違いないでしょう。

越境ECはもちろん、さまざまなウェブでのアプローチを検討していきたいですね。

 

 

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出典

・テレビは「爆買い」をどう伝えたのか? (日経ビジネスONLINE)

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216653/082800009/

・我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (経済産業省)

http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.html

・訪日外国人消費動向調査 (観光庁)

http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

投稿者プロフィール

恒川 直也
恒川 直也
株式会社インフォキュービック・ジャパン Digital Marketing Team Consultant
三重県伊賀市出身。学生時代は様々なスポーツに打ち込み、高校生の時には剣道の新人戦で地区優勝する。
國學院大學法学部卒業後はフリーのライターとして、ジャンルを問わず活動を始める。
しばらくして学生時代のアルバイトの経験を活かし国内の代理店に入社、知識を貪欲に吸収し、担当していた広告アカウントでGoogle Awardの1位に輝く。
海外の可能性に惹かれて株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。デジタル広告の運用はもちろんWEB解析、ライティングなど様々なスキルで活躍中。現在は中国語とロシア語を勉強している。