世界中から投資が急増!南アフリカ発の厳選スタートアップ4選

「地球最後のフロンティア」という言葉を目にしたことや、聞いたことがある人も多いかもしれません。この言葉は、21世紀に入り大きく経済が発展し始めたアフリカ大陸を比喩して用いられます。21世紀に入ると、非資源国でも情報通信技術(以下、ICT)の進展を背景に情報取得が容易になり、市場が徐々に機能し、アフリカの市場は大きく動き始めました。アフリカ全体で見れば、21世紀の最初の10年で経済規模は3倍に、1人あたりのGDPも2倍強にまで成長しています。

その結果、近年ではアフリカ市場は、日本企業はもちろんのこと、中国の起業家でアリババ社(阿里巴巴集団)の創業者ジャック・マー氏、アメリカ合衆国アラバマ州出身の投資家でクォンタム・ファンドの共同設立者として知られるジム・ロジャーズ氏など、世界の著名な投資家・起業家も注目するビジネスフロンティアへと変貌を遂げています。

そんなアフリカ大陸でも経済成長が非常に進んでいる南アフリカ共和国は、ICTを活用した既存産業の革新や、新興産業領域でのスタートアップの動きが加速してします。その要因として、起業を支えるエコシステムの整備や国内外のベンチャーキャピタルによる積極的な投資活動などがあげられるでしょう。また、携帯端末などをプラットフォームとする決済システムの開発により、農村部や貧困層の人々が消費者として取り込まれるようになりました。

そこでこの記事では、アフリカ大陸の経済の中心、南アフリカで生まれた注目のスタートアップをご紹介していきます。

 

Big5 Games

source: https://www.big5games.com/

アフリカ大陸の通信環境が急速に改善しているのは既述の通りですが、2017年現在では、2Gが全体のネット回線の6割を占めているのが現状です。大容量の通信をするスマートフォンゲームなどの普及にはもう少し時間がかかりそうです。そんな状況の中、少量の通信量で通常のスマートフォンゲームアプリよりも通信量のかからないゲームを開発する「 Big5 Games」が注目されています。

Big5 Gamesは、通信速度環境に左右されるサービス作りを強いられるアフリカで、レースやサッカーゲームを製作しているゲーム会社です。特徴的なのは、アプリをダウンロードせずにフェイスブック上でゲームができることや、携帯の性能が低くても遊べるようなゲームを創っている点です。

今後、2021年までにはアフリカのほぼ80%の国で3G/4G回線が利用できるようになると想定されており、今後のBig5 Gamesのハイスペックゲームの開発にも期待が高まります。

 

ConnectMed

source: https://connectmed.co.za/

急速な人口増加に伴う医師不足が深刻化するアフリカの医療業界。その不足数は2035年までに430万人に増えると予想されています。街の病院には長蛇の列ができ、診療時間が限られているため、来院してもその日に診察を受けられないことも多々あります。このような状況に目をつけたのが注目の医療サービスを提供するスタートアップ「ConnectMed」です。

ConnectMedが提供するサービスを利用すると、朝の8時から夜の10時の間で自宅や近所の薬局に医者を呼ぶことができるなど、ビデオ上で実際に会っているのと同じように、診断後に処方箋を発行して薬まで届けてくれます。

南アフリカでサービスを開始したConnectMedは、同じく医師不足に悩むケニアにてテスト的にサービスを導入したところ、特にお年寄りや若者からの支持を得ることに成功し、現在ではケニアでもサービスを開始しています。アフリカの社会問題ともいえる医師不足を解決するためのサービスは、今後必然性とともに増加していくため、そのポテンシャルも大きいといえそうです。

 

Prospa

source: https://www.prospa.co.za/

経済が成長しているアフリカでも、世界からみれば低所得層の人々の割合が大きいのが現実です。銀行の普及率が比較的高いといわれている南アフリカでも、入金や払い出しに多くの手数料や毎月の維持費用がかかる銀行を利用できない人はたくさんいます。そのような人々から多くの支持を受けているのが南アフリカ発のマイクロ・セービング・ソリューションを提供する「Prospa」です。

Prospaは最低預金口座残高を持たないモバイル・セービング・ウォレットで、「買い物で余ったお金でコツコツ貯金を」をテーマにしています。例えば、食料品の購入後に残ったR5(5南アフリカランド:南アフリカの通貨)を使い、貯蓄口座に登録するためにバウチャーを近くのトレーダーから購入します。購入したバウチャーの金額はモバイルアカウントに貯蓄され、四半期ごとに払い出しが可能です。バウチャーの種類にはR5、R10、R20、R50があり、毎月の口座開設費や口座維持費などは一切かからないサービスです。

 

Xineoh

source: https://www.xineoh.com/

2014年に設立された「Xineoh」は、オンラインユーザーの購買傾向などを分析し、ユーザーが何を購入したいのかを予測し、レコメンドするAIを開発するスタートアップです。

Xineohが他の競合と一線を画しているのは、レコメンドAIの予測成功率です。競合他社の開発するAIが3〜8%ので推移する中、Xineohは14.5%と圧倒的な予測成功率で他社の数値を上回っています。この実績で一気に知名度を上げたXineohは、2017年6月には米国とカナダの投資家らから200万ドルの調達に成功しています。

またXineohは、不動産分野におけるレコメンドAIの提供も計画しています。日々新たな情報が更新され、多くの情報が掲載される不動産のポータルサイトでは、訪れたユーザーが必要とする全ての情報をチェックするのは難しいとされています。ここにXineohの強みである予測成功率の高いレコメンドAIの需要、ポテンシャルがあると見込んでいます。

 

いかがでしたでしょうか。世界的な傾向でもあるテック系のスタートアップの台頭が目立つ南アフリカですが、後進国が多いアフリカ大陸では、アフリカ独自の問題や環境(通信環境や社会状況)に合わせたビジネスモデルやサービスを理解することが成功へのカギとなっているようです。今後も先進国を中心とした投資の増加により、さらなる加速が予想される南アフリカのスタートアップ事情から目が離せません。

 

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投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。