東南アジアのハブとして君臨!<br>シンガポールの注目スタートアップ6選

さて本日は、成長が著しい東南アジアで、域内のスタートアップブームを牽引するシンガポールについてです。人口わずか561万人の都市国家でありながら、その立地から『東南アジア経済のハブ』とも呼ばれ、多くのスタートアップにとって、東南アジアで多国展開を図るための重要拠点となっています。

近年、シンガポールでスタートアップが急速に盛り上がっている背景には、シンガポール政府が起業家に対する助成金や特許の商業化サポート、スタートアップの成長に欠かせないファンドや施設の設立、海外企業の誘致など、国を挙げてスタートアップへの支援を行っている点が挙げられます。配車サービスを中心としたサービスを展開するスタートアップとして、世界中に知られる「Grab」も、シンガポール発のスタートアップです。また、シンガポールは世界でも有数のビジネスのしやすい国として認識されており、GoogleやFacebookなどの名だたるグローバル企業が支社を構えています。

そこでこの記事では、東南アジアの経済の中心ともいえるシンガポールで生まれた注目のスタートアップを紹介していきます。

 

人々の生活を便利に!不動産&送金サービス

PropertyGuru

Source:https://www.propertyguru.com.sg/

小さな国ながら、数々の不動産関連サイトが存在するシンガポールでも、抜群の知名度と人気を誇っているのが、2007年に設立された「PropertyGuru」です。

PropertyGuruでは常時200万件を越える物件を抱えています。モバイルアプリのダウンロード件数は400万件を超え、ページを訪れる利用者の数は毎月2500万以上に上っています。取り扱い物件はコンドミニアムやHDB、一軒家、ルームレントまで幅広く網羅されており、予算とエリアに合わせて簡単に検索ができ、すぐにエージェントと繋がることができます。シンガポールで家探しをする際には、必ずと言っていいほど一番に名前が挙げられるほど認知されています。

PropertyGuruの創立1年前の2006年、創設者であるSteve Melhuish氏とJani Rautiainen氏は、ともに不動産についての悩みを抱えていました。価格変動の激しい不動産情報を入手するのに時間を費やすなか、彼らはすぐに自分達と同じような境遇にいる人達がたくさんいることに気付き、PropertyGuruを設立しました。現在ではシンガポール国内のみならず、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムと東南アジア各国で存在感を高めています。

 

Fastacash

 

Source:http://www.fastacash.com/

日々の支払いをもっと便利に、スムーズにしてくれるのが、シンガポールで多くの人が利用している決済アプリ「fastacash」です。

シンガポールの大手銀行DBSとも提携しているfastacashを使えば、Facebookやその他のSNS上でつながっている友人に、簡単に送金をすることができます。

送金者は、FacebookやSMSなどのプラットフォームを選択します。fastalink(URL)が生成され、送金が完了するとすぐに明細が送信されます。fastalinkの受信側は、どの預金口座に入金をするかを選択します。この一連の工程が指紋認証で簡単にできてしまうことが最大の魅力と言えるでしょう。

CEOのVince Tallent氏は、人々の日常生活と密接に連携した送金サービスを、もっと手軽にしたいという思いを抱いていました。そんな時、携帯電話やパソコンのユーザーが、チャットで写真を送信できることに目を付け、写真が送れるのであればお金を送ることできるだろう、という考えのもとfastacashのサービスを思いついたといいます。日々の生活で必ず身近にあるものに送金機能を結びつけたいと思った時、それが携帯電話とインターネットだったというわけです。

現在、シンガポール、インドネシア、ベトナム、ロシアでサービスを展開しており、今後はアメリカやイギリス、中東への進出も計画しています。

 

東南アジアで急成長するeコマース市場を牽引する企業

Lazada

Source:https://www.lazada.com/

東南アジアで絶大な知名度を誇るECモール「Lazada」は、ドイツのRocket Internet社によって2012年に設立されました。当初BtoCのeコマースビジネスを運営していたLazadaは、2013年から小規模事業者向けにマーケットプレイス方式をスタートさせ、一気に知名度を上げました。

現在ではシンガポールはもとより、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナムといった東南アジア6か国でサービスを展開しています。2018年8月現在、 マレーシア、ベトナム、タイ、フィリピンにおいては最大のeコマースサイトにまで成長し、「東南アジアのAmazon」と呼ばれています。

また2016年4月には、中国のアリババグループがLazadaの経営権を約1,080億円で獲得するなど、話題に事欠かない企業です。

 

Carousell

Source:https://sg.carousell.com/

2012年5月、NUS(国立シンガポール大学)の学生3人によって創業されたCtoCフリマアプリの「Carousell」は、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、台湾、香港などのアジア圏を始め、オーストラリアでもサービスを展開する注目のスタートアップです。

『シンガポール版メルカリ』と呼ばれることもあるCarousellでは、ファッションやメイクアップなどの小物はもちろん、車やマンションなども販売されており、まさにあらゆるものを売っている巨大なオンライン市場に成長しています。

最大の特徴は、売りたいと思ったときに30秒で売り出すことができるという点で、商品の写真を撮った後は、簡単に写真の加工・アップができます。

創業者のLucas Ngoo氏、Marcus Tan氏、Siu Rui Quek氏の3人は、何も知識のない状態からスタートし、Photoshopやアプリの作り方の本を読みながらユーザーテストを重ね、2012年3月に開催されたStartup Weekend Singaporeで、Carousellのデモを作り見事に優勝を果たしました。その後、NUS Enterpriseという同大学のインキュベーション推進施設で事業をスタートさせています。

 

Redmart

Source:https://redmart.com/

2011年に設立され、食料雑貨を扱うeコマースとしてシンガポール国内で大きな支持を得ている「Redmart」。

自社倉庫を持ち、直接消費者に商品を届けるという独特なスタイルで営業を行うRedmartのアプリは、とても使いやすいユーザーインターフェースが採用されています。2回目以降の注文時には、自分の購入履歴が一覧になっているMyListを使用できるので、いちいち商品ページを確認せずに値引きや在庫状況を確認でき、住所や決済情報の入力が不要な点も利用者には便利です。

またRedmartは、ソフトバンク系の投資会社や、フェイスブックの共同創始者、エドゥアルド・サベリン氏などが出資をしていることでも知られており、現在はシンガポールのみでの展開ですが、将来的には東南アジアの各国への進出も視野に入れているそうです。

 

番外編 日本人が創設!2年で急成長を果たした勢いのある企業

 

AnyMind Group

Source:https://anymindgroup.com/

人工知能(AI)を活用して広告管理やインフルエンサーの管理・評価プラットフォーム、人事採用の効率化ツールを提供する「AnyMind Group」は、2016年4月に2人の日本人によって創設されました。

当初、CEOの十河宏輔氏とCOOの小堤音彦氏2人だけで立ち上げたAnyMind Groupは、わずか2年で従業員約300人を抱える企業に急成長しました。現在では、シンガポールを拠点とし、タイ、ベトナム、カンボジア、インドネシア、マレーシアなどの東南アジアを始め、香港、中国、台湾、日本などの東アジアでも事業を展開しています。2017年の売上高は2,600万米ドル、2018年には前年比2倍以上の売り上げを見込んでいます。

いかがでしたでしょうか。近年の急速な東南アジアの経済成長は、中間所得者層を増加させ、それに伴いインターネット市場を大きく成長させています。そのため、域内のインターネットユーザーを囲い込むことが、大きなビジネスチャンスとなり、必然的にコンシューマー向けウェブサービスへの注目が集まっているようです。また、多くのスタートアップは、日本企業との関係を深めることで、資金面や技術・ノウハウなどを獲得したいと考えており、今後の日本企業の東南アジアでの動向にも注目が集まります。

 

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投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。