新しい銀行の形として世界が大注目!イギリスのデジタル銀行3選

インターネットやスマートフォンの普及により、近年日本でも各銀行がそれぞれのインターネットバンキングの利用を推奨していたり、様々な場面でキャッシュレス化が叫ばれるようになっています。しかし、まだまだ各種手続きに金融機関の窓口を訪れている人が多いのではないでしょうか。

そんな中、最近になって世界で注目を集めているのが、スマートフォンアプリだけで営業し、イギリスで急成長している「デジタル銀行」です。イギリスの銀行システムは複雑で、テクノロジーの導入も遅れているせいで、スマートフォンが生活の一部となっている若年層にとっては非常に利用しづらいサービスとなっています。そんな若い世代を中心に、安価な外貨両替や国際送金を可能とする強みを持つデジタル銀行は、爆発的に普及が進んでいます。その勢いは、将来イギリスの四大銀行であるバークレイズ、HSBC、ロイズ・バンキング・グループ、ロイヤルバンク・オブ・スコットランドを脅かす存在になるのではないかとも言われているほどです。

新興銀行は「チャレンジャーバンク」と呼ばれ、2016年の銀行・決済業界の営業収入に占める新規参入組の比率は13.7%にも上っています(アメリカは3.5%)。

そこでこの記事では、現在イギリスで最もホットで勢いのあるデジタル銀行をご紹介していきます。

 

ATOM

Image source: https://www.atombank.co.uk/

イギリス初のデジタルバンクとして2015年に銀行免許を取得した「Atom Bank」は、定期預金、当座預金、当座貸越、デビットカード、クレジットカードなどの事業を展開しています。口座開設、デビットカード・クレジットカードの発行手続き、住宅ローン、中小企業向け担保融資まで、全てのサービスをモバイルアプリ経由で申し込むことができます。

Atom Bankは、顔認証と音声認証を含むバイオメトリクスセキュリティ対策を導入した最初の銀行の1つでした。ミレニアル世代に特化したスマートフォン上のデザインを採用し、操作性の高いバンキングサービスを提供するなど、他のデジタル銀行同様に若い世代をターゲットとしていますが、現在全ユーザーの65%以上が40歳以上であり、最高齢のユーザーは99歳と、競合他社と比較してもかなり幅広い世代に利用されています。

 

Monzo

 

Image source: https://monzo.com/

2015年にイギリスの起業家トム・ブロムフィールド率いるチームによってローンチされたチャレンジャーバンク「Monzo」。当初はデビットカード事業から出発し、2017年にイギリス金融監督当局からの許可が下り、銀行業務に本格参入しました。

Monzoが多くの人に支持されている理由は、驚くほど簡単に口座開設ができる点に加え、ユーザーフレンドリーなUIと明瞭なサービスが挙げられます。口座開設はアプリ内で免許証やパスポートなどの身分証明の写真を添付し、個人情報を入力するだけです。もしもカードを紛失してしまった場合でも、アプリを使用して簡単にカードでの取引を止めることができ、セキュリティ面も安心です。

また、同社の人気を支えるサービスの1つに、「Monzoカード」が挙げられます。イギリスでデビットカードやクレジットカードを使用して決済を行った場合、使用した数日後にステートメントに上がってくるのが通常です。しかしMonzoカードで支払いを行うと、使った瞬間にアプリに記録され自動でカテゴリーを分類し記録してくれます。さらには月ごとの予算などの登録もでき、それを超えるとアプリ上で教えてくれるなど、自分自身で家計簿をつける必要もありません。

また、クラウドファンディングサイト「Crowdcube(クラウドキューブ)」で、同社が資金調達ページを開設すると、わずか96秒で約100万ポンド(約1億5000万円)もの資金が集まったという逸話からも、同社への注目度の高さがうかがえます。

 

Revolut

 

Image source: https://www.revolut.com/

「Revolut」は、現CEOで元クレディ・スイス、リーマン・ブラザーズのトレーダーのNikolay Storonsky氏と、現CTOで元クレディ・スイスとドイツ銀行のエンジニアのVlad Yatsenko氏の2人によって2015年7月に創業され、わずか3年でユニコーン企業の仲間入りを果たしました。

最大の特徴は、為替レートの良さや海外送金手数料が無料であることが挙げられます。通常、両替店や銀行などで個人的に両替をする際には、カスタマーレート(顧客向けレート)が適用されますが、基本的にはインターバンクレート(銀行間レート)に比べて、顧客にとって非常に不利なレートになっています。しかしRevolutは、インターバンクレートに近い額で90以上の通貨に一瞬で両替を行うことができ、さらにそれを海外送金する際にも手数料が全くかかりません。

現在、全ユーザーの42%程度が25〜35歳の利用者というRevolutは、若い世代を中心に支持を集めています。さらに2018年11月には、各国の通貨に加えて、3種類の仮想通貨の取扱も開始しており、新たなユーザー層の拡大に一役買いそうです。

Revolut立ち上げのきっかけについてCEOのNikolay氏は、不透明な為替レートの差異や銀行取引でかかる手数料などに常に疑問を感じていたため、世界に公平な為替取引の場を創造したいという思いがあったと語っています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここで紹介した以外にも、イギリス次々と新たなモバイル銀行が誕生しています。中でもRevolutは、日本市場への進出に向け、既に動き出しています。日本の大手銀行にとっても、モバイル銀行が脅威になる日は近いのかもしれません。

 

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投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。