4年で企業数が2.5倍に! 急増する香港の注目スタートアップ4選

シンガポールと共に東南アジア経済の中心としてとして君臨する香港では、近年スタートアップ企業数が急激に増加しています。その数は2018年11月時点で2625社と、2017年に比べ18%増、4年前と比較すると2.5倍にも膨れ上がっています。

香港のスタートアップの起業者を出身地別にみると、62%が香港人で、国外からはアメリカやイギリス、隣接する中国本土、オーストラリアなど、様々な国籍の起業家が香港でスタートアップを立ち上げています。その背景には、香港の恵まれた地理的条件や香港政府が進める税制優遇などのスタートアップ支援策が成功していることが挙げられます。

そこでこの記事では、現在多くのスタートアップが誕生している香港で、勢いに乗るスタートアップ企業を紹介していきます。

 

香港スタートアップ初のユニコーン企業

Sensetime

Image source: https://www.sensetime.com/

AI分野のスタートアップとして世界一の企業価値を誇る「Sensetime」は、ディープラーニング技術を応用した人工知能と顔認識技術の研究・開発を手がけています。

Sensetimeは2014年、香港中文大学情報工学科の湯暁鴎教授のプロジェクトの商業化して設立されました。現在400社以上の顧客を持ち、日系企業ではホンダとの業務提携、華為技術や小米科技などの中国スマートフォンメーカーには画像認識技術の提供やクアルコムとAIチップの開発で提携しています。

また同社の注目すべきパートナーとして、国民監視システムに同社のシステムを使用している中国政府が挙げられます。Sensetimeの顔認証技術と街に設置されたカメラのシステムを繋いで、街にいる人を自動で特定する技術を利用し、中国国内に設置された1億7千万のCCTVカメラや新システムで撮影されたデータを処理しています。

香港初のユニコーン企業となったSensetimeは、世界中の約10の国と地域で、500を超える特許を申請しおり、そのうちの90%が世界初の技術となっています。

 

香港物流系スタートアップのツートップ

GoGoVan

Image Source: https://www.gogovan.com.hk/en/

既にこちらの記事でご紹介したSensetimeに続いて、香港第2のユニコーン企業となったのが、オンデマンドで、登録されているドライバーと個人及び法人の配達ニーズをマッチングするプラットフォームを提供している「GoGoVan」です。

2013年に創設されたGoGoVanは、競争の激しいラスト・ワン・マイル(エンドユーザーへの物流)の中で、『物流版Uber』とも呼ばれ、業界の風雲児として知られています。2013年に香港で事業を開始した後は、翌年8月にシンガポール、11月に台湾、2015年には中国本土と韓国、その後はインドとサービス提供範囲を拡大しています。

既に同サービスの登録ドライバー数は全世界で800万人、中国本土だけで100万人に達し、中国本土では300都市でサービスを展開しており、アジア圏での知名度は抜群です。

 

Lalamove

Image Source: https://www.lalamove.com/

GoGoVanに遅れること6か月、2013年の12月に創設された「Lalamove」は、GoGoVanと同じく、仲介者やコールセンターを介することなく、効率的に配達車などを利用できる「ロジスティクス・アプリ」を展開し、市場をけん引するスタートアップです。

アプリで自動車保有者やバイク便配送サービスとユーザをつなぐLalamoveは、登録ドライバー数300万人、2,800万以上のユーザーにサービスを提供しており、大中華圏の各都市に加えて、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンなどでもサービスを提供しています。

2019年2月末には、中国のプライベートエクイティー投資会社のヒルハウス・キャピタルや米系セコイア・チャイナなどから3億米ドル(約330億円)の資金調達に成功し、2019年に予定されているインドへの進出の準備を進めています。また、今後既存サービスの提供地域で技術開発を行うほか、車両販売などの新事業への参入も計画しています。

 

アジア地域で知名度抜群の旅行サービス

Klook

Image Source: https://www.klook.com/en-US/

香港発の現地アクティビティ&サービスの予約プラットフォームの「Klook」は、『タビナカ』というキーワードが旅行者の中で注目される中、2014年の創業からわずか4年で世界に800人を超す従業員を抱える企業へと成長しました。

近年、インターネットやスマートフォンの普及を追い風に、自由旅行という形態がますます人気になっています。現在のところ、世界40か国以上200地域の旅行関連業者が提供する5万以上のアクティビティやサービスを提供しており、Klookを利用すれば、世界各地の観光名所の情報の検索、観光地のチケットから現地のツアー、交通機関のチケットまで全てが揃います。『旅行者が欲しいと思うものなら、航空券と宿泊以外、すべてが事業領域になる』という同社の考えの通り、本拠地である香港のエッグタルト店を始め、台湾の屋台ヌードル、東京の人気ラーメン店など、Klookにとっての『タビナカ素材』は多岐に及びます。

また、同業の競合他社では、アクティビティの予約の際に24時間以内の予約確定というアイテムが多い中、Klookは可能な限り予約の即時確定にこだわっています。これは、旅行先に滞在中のユーザーにとって、『時間』がいかに大切なものかというのを意識した戦略で、その場で予約が確定することへの『安心感』も、旅行者に支持されている大きな理由の1つとして挙げられます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。近年、政府の支援もあり、ようやくスタートアップが勢いに乗ってきた香港は、現在多くのユニコーン企業を輩出している中国に続けとばかりに、国を挙げてスタートアップの創出に乗り出しています。特にAIに強みを持つ香港から、今後どのような新サービスが生まれるか期待したいところです。

 

グローバルマーケティング研究所のサービスに関する問い合わせはこちら

 

投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。