「進む教育現場のデジタル化」世界の学校で利用されている<br>デジタル教育ツール10選

学校の授業といえば、どのような姿を想像しますか。教師が生徒に向かって一方的に話し、生徒は教師の話を真剣に聞く。そんな教室の姿を想像する人も多いかと思います。長らく続いてきたこのような学校の教育スタイルは、世界中に押し寄せるデジタル化の波により、大きく変わりつつあります。デバイスを利用して生徒たちがプレゼンテーション資料を作り、デジタルツールを用いて友達と議論し、インターネットを介して宿題を提出する。世界では、そんな教室があたり前になってきています。日本では、伝統的な授業スタイルに重きが置かれる風潮がありますが、近畿大学附属高校では、2013年から生徒と教職員のiPad活用を積極的に推し進め、現在は1人1台iPadを所有して学習に活用しています。デジタルツールを効果的に利用することは、学習・作業効率を向上させ、より実りのある学習を導く可能性を秘めています。

そこで本稿では、世界の教育現場で活用されている様々なタイプのデジタル教育ツールを紹介します。

 

Prezi

https://prezi.com/

プレゼンテーション作成ツールといえば、Microsoft社のPowerPointを思い浮かべる人が多いと思いますが、「Prezi」は生徒たちであっても、気軽に、容易に、そして魅力的にプレゼンテーションの作成ができるデジタルツールです。プレゼンテーションを作成するためには、イラストや文字の配置といったデザインセンスが非常に重要になってきます。「Prezi」はデザインが苦手な人でもプロデザイナーと同レベルのプレゼンテーションが作成できることを目指して作られていますので、「Prezi」内の機能を利用することで、容易にハイレベルなプレゼンテーションを作成することができます。授業のためにプレゼンテーションを作成したい教員や、発表会などでプレゼンテーションをする生徒などにおすすめのデジタルツールです。

 

VoiceThread

https://voicethread.com/

上記の「Prezi」はプレゼンテーション作成ツールでしたが、「VoiceThread」はプレゼンテーション練習ツールです。「VoiceThread」にプレゼンテーション用のスライドを登録した後、そのスライドを利用し、デバイスに向かってプレゼンテーションの練習をしてください。「VoiceThread」機能の1つである録画ボタンを押すことで、ユーザーの音声や利用したハイライトマーカーの情報が記録された動画を作成することができます。その動画を友達にシェアすることで、友達は自由にプレゼンテーションに対するコメントを残すことができます。「声が小さくて聞こえにくかった」「話すスピードをもう少し遅くするといい」などのプレゼンスキルに関するコメントや、「スライドの写真が見にくい」「この画像をハイライトマーカーで強調するといい」など、スライドのデザインや発表のためのアドバイスまで様々なコメントを共有できます。発表会の前に「VoiceThread」を用いて友達と練習することで、間違いなくプレゼンテーションのスキルを磨くことができるでしょう。授業に自信がない教員の練習にも適しているかもしれません。

 

Explain Everything

https://explaineverything.com/

「Explain Everything」は、モバイル端末を介しての共同作業を可能にするデジタルツールです。巨大なホワイトボードがデバイスの中に埋め込まれているとイメージしてください。ユーザーはそのホワイトボードを利用して、遠隔で資料の作成を行ったり、意見交換を行ったり、その資料を用いて説明したりすることができます。グループで発表資料を作成したり、調べ学習をする際に大きな力を発揮するデジタルツールといえるでしょう。「Schoolwork」 「Dropbox」 「Evernote」 「GDrive」 「OneDrive」などの便利なアプリとの連動もできますので、使い方によっては様々な場面で利用可能です。

 

Educreations

https://www.educreations.com/examples/

「Educreations」は、いつでもどこからでも学習へのアプローチを可能にするデジタルツールです。一斉学習の授業スタイルでは、理解できなかった部分や聞き逃してしまった部分があっても、授業を妨げるわけにはいかないため、その場で質問することを躊躇してしまうという人もいると思います。しかし、「Educreations」には、世界中の優秀な先生たちがわかりやすく説明した授業の動画が豊富に登録されていますので、生徒は自分のペースで学習を進めることができます。全員が「Educreations」を利用して学習している教室では、教師は授業者ではなく、生徒たちがつまずいたときのアドバイザーになります。基本の言語は英語のため、日本ですぐに代用するのは難しいですが、今後同様のサービスが広がる可能性は大いにあると考えられます。

 

Socrative

https://socrative.com/

「Socrative」は、教師が準備した教育ゲームに、生徒がモバイルデバイスを用いて回答するなど、楽しみながら学習することを可能にしたデジタルツールです。古典的な学習スタイルでは学習への興味を持てない生徒たちも、デバイスを用いたゲーム型の学習スタイルであれば学習に打ち込めるのではないかとの考えのもと、教育に情熱を持つ起業家とエンジニアのグループによって設計されました。注目すべき点は、「Socrative」に初めから登録されているフォーマットに従うことで、教師が簡単にクイズをはじめとした楽しい学習ゲームを作成できること、また、生徒の回答を教師が即座に確認できるため、生徒の理解状況を即時的に確認できることです。授業の最後に振り返りとして、毎回ゲーム感覚で取り組んでみるのもいいかもしれません。

 

Storybird

https://storybird.com/

生徒の読み書き能力の向上に焦点を当てたデジタルツールです。「Storybird」の中には、生徒たちの想像力を掻き立てるような物語風のイラストが多数登録されています。そのイラストをもとに独自の物語を作成し、友達や世界中の人々に共有できるのが「Storybird」です。決まりきった答えはないため、自由な発想のもとで、生徒の独創性をはぐくむことができるでしょう。同じイラストを利用した友達同士で、互いに発表し合うなどの面白い使い方もできるかもしれません。

 

Animoto

https://animoto.com/

「Animoto」はどんなモバイル機器からでも短時間で高品質なビデオを作ることができるデジタルツールです。優れた動画は、生徒たちを刺激し、授業への積極的な参加を促すでしょう。基本的には、写真や動画のデータを「Animoto」にダウンロードした後、デバイスへのタップ&ドラッグによってデータを並び替え、いくつかの効果設定を行うのみですので、スマホに慣れている生徒たちであれば、自分たちで簡単に動画を作成することができます。

 

Kahoot!

https://kahoot.com/

「Kahoot!」は、遊びながら学ぶことを実現するデジタルツールです。生徒は、表示されたクイズやアンケートに、デバイスを利用して回答します。その結果は即座に集計され教師の端末に届けられるので、クラス全体がどの回答を多く選んだのかが一目でわかります。また、生徒参加型の授業となるため、生徒の自主性を育む効果もあり、勉強させられているという意識を植えつけられにくいことから、生徒の授業への姿勢も積極的になります。楽しく回答できる仕組みのため、センチメンタルになりがちな授業評価の分野での利用も期待されています。教師にとっても生徒にとっても前向きになれるような、楽しい雰囲気のもとでの授業評価が実現できるかもしれません。

 

TED-ED

https://ed.ted.com/

アイデアや知識をプレゼンテーションすることで有名な非営利団体「TED」の教育に特化したものが「TED-ED」です。生徒用と教師用が準備されています。生徒用では、教科の学習というわけではありませんが、人生の広げ方、自分らしく生きるための方法、夢を達成するためには、などの人生を生きるうえで必要な情報を得ることができます。教師用では、ぜひ生徒に伝えてほしい内容や、最近のニュースの中から教育に関連したものが厳選され、提供されています。最近の学校教育では、教科の学びがどうしてもメインになりがちですが、人生における学びを提供してくれる「TED-ED」は貴重な存在です。

 

CK-12

https://www.ck12.org/student/

学習には、学習教材が必要。しかし、多様な関心、多様な学習スピードを持つ生徒たちに、単一の学習教材を使用して授業をするのでは、全ての生徒に本当に身になる学習を提供するのは困難でしょう。多様な関心のある生徒たちが、自分に適した教材を見つけ、積極的な学びを追求していけるように、様々な教材をすべて無料で提供しているのが「CK-12」です。ここに掲載されている教材は、すべて無料でダウンロードが可能で、しかも一部を修正して配布したりすることも可能です。教師、そして生徒にとって、自分にあった学習教材を見つけるのに適したプラットフォームといえるでしょう。

 

いかがでしたか。教育市場におけるデジタルツールの需要は、今後間違いなく増えていくと考えられます。今後、どのような優れたデジタルツールが誕生するのか、デジタル教育ツールの動きにも注目したいところです。

 

グローバルマーケティング研究所のサービスに関する問い合わせはこちら

投稿者プロフィール

宇佐美 海太
宇佐美 海太
1985年東京生まれ。ポルトガル留学後、早稲田大学国際教養学部卒業。
大手製造業の映像プロデューサーとして各種PR動画の企画・プロデュースに従事した後、「日本と海外をつなぎたい」と決意し、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在はマーケティング部のマネジャー として、多数のクライアントの海外向けコミュニケーションデザインを通じ、お客様と世界をつなぐコミュニケーション創造に心血を注ぐ。趣味はプロレス鑑賞。